小児矯正のメリット完全ガイド|成長期だからこそ効果的
お子さまの歯並びが気になっているけれど、「まだ小さいから様子を見よう」と思っていませんか?実は、お子さまの歯並びの問題は早期に対処することで、より効果的に改善できることが多いのです。
小児矯正は、お子さまの成長期を利用して歯並びや噛み合わせを整える治療法です。成長が盛んな時期だからこそ、効果的に治療を進められるメリットがあります。
このガイドでは、小児矯正のメリットや治療の流れ、適切な開始時期などについて詳しく解説します。お子さまの健やかな成長と美しい笑顔のために、ぜひ参考にしてください。
小児矯正とは?成長期に行う矯正治療の特徴
小児矯正とは、乳歯から永久歯が生え揃うまでの期間、そして永久歯が生え揃ってすぐのタイミングで行う矯正治療のことです。
成長が盛んな子どもの時期に矯正治療を開始することで、あごの骨の成長をコントロールしながら生えてくる永久歯を正しい位置に誘導していくことができます。これにより、より美しい骨格と歯並びを実現することが可能になるのです。
成人矯正と小児矯正の大きな違いは、子どもの場合はあごの骨がまだ成長途中であるため、その成長をうまく利用できる点にあります。成人では骨格が完成しているため、骨格自体を変えることは難しいのですが、小児矯正では顎の成長をコントロールすることができるのです。
また、歯並びの悪さは指しゃぶりや舌の癖、ほおづえ、口呼吸などの癖が原因になっていることも多いのですが、そのような癖を小児矯正で早期に改善し、歯並びが悪くならないようにすることも可能です。
小児矯正のメリット5つ〜成長期だからこそ効果的
お子さまの成長期に矯正治療を始めることには、さまざまなメリットがあります。ここでは主な5つのメリットについて詳しく解説します。
1. 顎の成長バランスを整えられる
子どもの時期は顎の骨が成長している段階です。この時期に矯正治療を行うことで、歯並びや癖を改善し、正常な発育に導き、顎の成長のバランスを整えることが可能です。
これによって、顔立ちにも大きく影響します。矯正治療は大人になってからでもできますが、顎の成長をコントロールできるのは、成長期のみなのです。
骨格にアプローチできるという点は、小児矯正の最大のメリットと言えるでしょう。
2. 永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保できる
乳歯と永久歯が混在する時期に矯正治療を始めることで、これから生えてくる永久歯が正しい位置に並ぶよう誘導することができます。
あごが小さい場合や歯が大きくてスペースが足りない場合は、永久歯が正しく並ぶ余地がなく、将来的に歯を抜いて矯正する必要が出てきます。小児矯正では、あごの幅を広げることで、歯を並べるスペースを確保するため、抜歯を回避できる可能性が高まります。
3. 口呼吸や悪習癖を早期に改善できる
子どもの歯の症例として珍しくないのが、幼少期の舌癖や指しゃぶりによって起こる「開咬(オープンバイト)」です。開咬は上下の前歯が噛み合っていない状態なので、ぽかんと口が開いてしまい口呼吸になってしまいます。
口呼吸が癖になっていると口腔内が乾燥し唾液が少なくなるため虫歯や口臭の原因にもなりますが、歯列矯正によって開咬を治療することで、口呼吸から鼻呼吸へと改善することにつながります。
また、指しゃぶりや舌を前に出す癖(舌突出癖)、口呼吸などは、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす要因です。こうした悪習癖が続くと、あごの成長や歯の位置にまで影響が出ることがあります。
小児矯正では、こうした癖に早く気づくことができ、必要に応じてトレーニングや装置によって改善を図ります。習慣が固定化する前に対処することで、長期的な口腔環境の悪化を防ぐことができます。
4. 食べ物が噛みやすくなる
歯並びや噛み合わせが悪いと、食べ物を上手に噛み切ることができず食事の楽しみも半減してしまいます。子どもの頃から矯正治療を行い、正しい歯並びと噛み合わせを手に入れることで、食べ物を咀嚼しやすくなりストレスなく食事ができるようになります。
正しく噛めることは、消化にも良い影響を与えます。また、しっかり噛むことで脳の発達にも良い影響があるとされています。
5. 抜歯治療をせずに済む可能性がある
大人の矯正治療では永久歯を抜歯するケースも少なくありません。しかし、子どものうちに歯科治療をスタートする場合、乳歯の生えかわりの時期でも永久歯が生えてくるスペースを確保することで、正しい歯並びや噛み合わせをキープし、抜歯をせずに済む可能性が高くなります。
健康な歯を残せることは、将来的な口腔内の健康維持にも大きく貢献します。
小児矯正はいつから始めるべき?適切な時期と判断基準
小児矯正を始める適切な年齢は、一般的に6〜10歳ごろとされています。この時期は、乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期にあたり、歯やあごの成長を利用して矯正治療が行えるため、最も効果的なタイミングとされています。
しかし、実際の開始時期は子どもの歯並びやあごの発達状況によって異なります。たとえば、受け口(反対咬合)やあごの左右非対称が見られる場合には、もっと早い段階、4〜5歳で治療を開始することもあります。
一方で、特に問題がない場合は経過観察を行い、永久歯が生えそろう12歳頃まで治療を待つこともあります。
早期治療が必要なサイン
以下のような症状がある場合は、早めに矯正歯科医に相談することをおすすめします。
- 受け口になっている
- 指しゃぶりをしている
- 舌を出したり唇を噛んだりする癖がある
- 頬づえをついている
- 口をぽかんと開けていることが多い
- 乳歯の歯と歯の間にすき間がない
これらの症状は、将来的な歯並びの問題につながる可能性があります。早期に対処することで、より簡単に、より効果的に改善できることが多いのです。
お子さまの歯並びが気になる場合は、まずは歯科医院での相談をおすすめします。専門医による適切な診断を受けることで、お子さまに最適な治療時期と方法を見つけることができます。
小児矯正の治療方法〜第1期治療と第2期治療
小児矯正は、治療開始時期により2つのステージに分けられます。それぞれの治療内容と目的について解説します。
第1期治療(早期治療)
第1期治療は、永久歯が生え揃うまでの矯正治療で、6歳以降に開始することが多いです。ただし、骨格的な異常がみられる場合には早めに成長を抑制する目的で3歳くらいから治療を開始することもあります。
第1期治療の主な目的は、あごの骨の健全な成長を促し、永久歯の健全なかみ合わせと歯並びを作っていくことです。この時期に矯正治療を行っておくことで骨格の不均等やゆがみ、歯が生えるスペースが足りないといった問題を解決することができます。
具体的な治療内容としては、お子さまに合った装置で歯並びを広げ、永久歯が生え揃うスペースを作っていきます。また、あごの骨の成長や歯並びを悪くする癖がある場合にはそれを改善し、口周囲の筋肉を正しく使えるように練習していきます。
第2期治療(本格矯正)
第2期治療は、永久歯をきれいに並べていく治療で、永久歯にすべて生え替わってからおこないますので、12歳くらいからの開始となります。
第2期治療の目的は、歯の1本1本の並びをきれいに整えていくことです。第1期治療では歯並びを広げて歯の位置を大体整えることはできますが、歯の向きや長さなどの細かい調整はできないので、第2期治療で緊密に整えていきます。
治療内容は、歯にブラケットとワイヤーを固定する「ワイヤー矯正」、もしくは透明なマウスピースによる「マウスピース矯正」のいずれかで治療を行います。治療内容は成人矯正と同様のものとなります。
両方の治療が必要なケース
第1期治療をおこなった結果、とくに歯の並び方に問題がなく、第2期治療が必要ないと判断されることもあります。逆に、小学生の時期にあごの状態や癖などの問題がないため第1期治療を必要とせず、第2期治療から治療を開始することもあります。
ですが、多くのケースでは第1期治療と第2期治療を必要とします。実際、歯並びの問題は骨格的な問題や歯の生えるスペースが足りないといった問題から起こっています。そのため、多くの場合で第1期治療からの治療が必要となります。
そして、第1期治療の後にはその7割ほどが第2期治療へと移行していきます。第1期治療後に第2期治療が必要になる理由は、第1期治療だけでは歯の位置を細かく調整することができないためです。そのため、歯のねじれや傾斜、歯の長さの不均等などがある場合には第2期治療で微調整が必要になります。
小児矯正の費用と治療期間
小児矯正の費用は、治療内容や期間、使用する装置によって異なります。一般的な相場と治療期間について解説します。
治療費用の目安
小児矯正の費用は、第1期治療と第2期治療で分けて考える必要があります。
第1期治療では、使用する装置や治療期間によって異なりますが、一般的に30万円〜50万円程度が目安となります。第2期治療では、使用する矯正装置のタイプによって費用が変わりますが、ワイヤー矯正で50万円〜80万円程度、マウスピース矯正では60万円〜100万円程度が一般的です。
なお、矯正治療は保険適用外の自費診療となるため、医院によって費用設定は異なります。また、分割払いや医療ローンなどの支払い方法を用意している医院も多いので、事前に確認するとよいでしょう。
治療期間について
小児矯正の治療期間も、症例や治療内容によって大きく異なります。
第1期治療では、一般的に1年〜2年程度の期間がかかります。第2期治療では、永久歯がすべて生え揃った後に行うため、1年半〜2年半程度の期間を要することが多いです。
ただし、これはあくまで目安であり、お子さまの成長や歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することもあります。また、装置の扱い方や定期的な通院など、患者さまのご協力も治療結果や治療期間に大きく影響します。
まとめ:お子さまの健やかな成長のために早期対応を
小児矯正は、お子さまの成長期を利用して効果的に歯並びや噛み合わせを改善する治療法です。成長期だからこそ、顎の成長をコントロールしたり、永久歯が正しく生えるスペースを確保したりすることができます。
小児矯正の主なメリットは以下の5つです。
- 顎の成長バランスを整えられる
- 永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保できる
- 口呼吸や悪習癖を早期に改善できる
- 食べ物が噛みやすくなる
- 抜歯治療をせずに済む可能性がある
治療開始の適切な時期は、お子さまの歯並びやあごの発達状況によって異なりますが、一般的には6〜10歳頃が効果的とされています。受け口や出っ歯、指しゃぶりなどの癖がある場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
小児矯正は第1期治療と第2期治療に分かれており、それぞれの時期に適した治療を行うことで、より効果的に歯並びを改善することができます。
お子さまの歯並びやあごの発達に不安がある場合は、まずは専門医に相談してみましょう。早期の対応が、お子さまの将来の健康と笑顔につながります。
当院では、お子さまの成長に合わせた最適な矯正治療をご提案しています。お気軽に歯科・矯正歯科 GOOD SMILEまでご相談ください。

監修者情報
歯科・矯正歯科 GOOD SMILE院長 薄井陽平
保有資格など 歯学博士
松本歯科大学 小児歯科学講座 非常勤講師
略歴 2001年3月 松本歯科大学歯学部卒業
2001年4月 歯科医師免許取得
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座入局
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座医員
2003年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助手
2004年4月 松本歯科大学 硬組織疾患制御再建学講座
臨床病態評価学博士課程入学
2007年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教
2009年6月 学位取得(歯学博士)
2012年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教 教任期満了
2015年10月 松本歯科大学 小児科学講座 非常勤講師就任
ごあいさつ
はじめまして、GOOD SMILEの薄井です。歯・矯正に関することはもちろん、口腔内のお悩みなら何でもご相談ください。患者様のお悩みが解消できるよう、もっとも合う治療方法について一緒に考えさせていただきます。