歯並びの見た目改善にかかる期間は?症例別に解説
「歯並びを治したいけど、どのくらいの期間がかかるのだろう?」
歯並びの悩みを抱える多くの方が、このような疑問をお持ちではないでしょうか。矯正治療を検討する際、治療期間は重要な判断材料の一つです。
歯並びの見た目改善にかかる期間は、症例によって大きく異なります。軽度のガタつきなら数か月で改善できることもありますが、複雑な症例では数年を要することも。
私は松本歯科大学の小児歯科学講座で非常勤講師を務めながら、長年矯正治療に携わってきました。この記事では、歯科矯正の専門家として、症例別の治療期間や治療方法の選択肢について詳しく解説します。

歯並びの見た目改善にかかる期間の基本
歯並びを改善するための矯正治療期間は、一般的に次のような目安があります。
軽度の歯並びの乱れであれば半年〜1年程度、中程度から重度の不正咬合の場合は1年半〜3年ほどかかることが多いです。また、子どもの矯正では成長に合わせた段階的な治療を行うため、第1期治療で1〜2年、第2期治療で1〜2年半ほどの期間を要することがあります。
しかし、これはあくまで目安であり、実際の治療期間は個人差が大きいのが現実です。
治療期間に影響する主な要因には、以下のようなものがあります。
- 歯並びの状態(軽度・中度・重度)
- 噛み合わせの問題の有無
- 年齢(子どもと大人では骨の硬さが異なる)
- 選択する矯正装置の種類
- 抜歯の必要性
- 患者さん自身の協力度
特に最後の「患者さん自身の協力度」は非常に重要です。マウスピース矯正のように取り外しができる装置の場合、指示通りの装着時間(1日20時間以上)を守らないと、予定通りに歯が動かず治療期間が延びてしまいます。
それでは、具体的な症例ごとに見ていきましょう。
軽度のガタつきの場合の治療期間
前歯に軽度のガタつきがある場合、比較的短期間で改善できることが多いです。
前歯1〜2本にわずかな重なりがある程度であれば、部分矯正で対応できる可能性があります。部分矯正とは、全体の歯並びではなく、前歯など一部分のみを矯正する方法です。
すきっ歯で1〜2mm程度の隙間を閉じたい場合や、矯正治療後の前歯のわずかな後戻りにも部分矯正が向いています。
軽度のガタつきに対する治療期間の目安は、以下のとおりです。
- マウスピース矯正:3〜6ヶ月
- 表側矯正(ワイヤー矯正):6ヶ月〜1年
特に「見た目の改善」を主な目的とする場合、前歯のみの部分矯正で十分なケースも多いです。Web検索結果にあるように、実際に3ヶ月程度で見た目が改善された症例もあります。
ただし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合は、部分矯正だけでは不十分で、全体矯正が必要になることもあります。
出っ歯の改善にかかる期間
出っ歯(上顎前突)は、上の前歯や上顎が前に出すぎている状態です。見た目だけでなく、口が閉じにくい、発音しづらいなどの機能的な問題も生じることがあります。
出っ歯の治療期間は、その程度によって大きく異なります。
- 軽度の出っ歯:半年〜1年程度
- 中等度〜重度の出っ歯:1年半〜3年程度
軽度とは、前歯がわずかに前に傾いているだけで、奥歯の噛み合わせに問題ないケースを指します。このような場合は、マウスピース矯正や表側矯正で比較的短期間に改善できることがあります。
しかし、出っ歯の多くは単に歯が傾いているだけでなく、顎のスペースが不足していることが原因です。そのため、抜歯が必要になるケースも少なくありません。抜歯を伴う矯正治療では、一般的に治療期間が長くなります。
出っ歯の矯正では、単に前歯を後方に引っ込めるだけでなく、適切な噛み合わせを作ることが重要です。そのため、見た目だけでなく機能面も考慮した総合的な治療が必要となります。

受け口(下顎前突)の治療期間
受け口(下顎前突)は、下の歯や下顎が前に出ている状態で、噛み合わせが逆になっています。見た目の問題だけでなく、咀嚼機能にも影響を及ぼす可能性があります。
受け口の治療は、その原因や程度によって大きく異なります。
- 歯性の受け口(歯並びだけの問題):1年〜2年程度
- 骨格性の受け口(顎の骨格の問題):2年〜3年程度、または外科矯正が必要
歯性の受け口は、歯並びの問題が主な原因であるため、矯正装置のみで治療できることが多いです。一方、骨格性の受け口は顎の骨格自体に問題があるため、治療が複雑になります。
特に成人の骨格性の受け口では、矯正治療だけでは限界があり、外科矯正(顎の手術)が必要になることもあります。外科矯正を伴う場合、術前矯正、手術、術後矯正を含めて2〜3年の治療期間が一般的です。
子どもの場合は、成長を利用した治療が可能です。成長期に適切な装置を使用することで、顎の成長をコントロールし、骨格的な問題を改善できることがあります。
すきっ歯の治療にかかる期間
すきっ歯(空隙歯列)は、歯と歯の間にすき間がある状態です。特に前歯のすき間は見た目に大きく影響します。
すきっ歯の治療期間は、すき間の大きさや原因によって異なります。
- 軽度のすきっ歯(1〜2mm程度):3ヶ月〜半年
- 中等度のすきっ歯:半年〜1年半
- 重度のすきっ歯または全体的な歯列の問題がある場合:1年半〜2年以上
前歯の間に小さなすき間がある場合、部分矯正やダイレクトボンディング(歯を削らずに樹脂を盛る治療)で比較的短期間に改善できることがあります。
Web検索結果によると、すきっ歯の改善にはセラミック治療という選択肢もあります。これは歯を削り、セラミックを被せることですき間を埋める方法です。矯正治療と比べて短期間で見た目を改善できますが、健全な歯を削る必要があるというデメリットもあります。
すきっ歯の原因が舌の癖(舌突出癖)や口呼吸などの機能的な問題にある場合は、これらの習慣を改善する訓練も併せて行うことで、治療効果を高め、後戻りを防ぐことができます。
矯正方法による治療期間の違い
矯正方法によっても、治療期間に違いがあります。主な矯正方法と一般的な治療期間の目安を見ていきましょう。
マウスピース矯正の期間
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を動かす方法です。Web検索結果にもあるように、インビザラインなどのマウスピース矯正は、見た目が目立たないことから大人の矯正に人気があります。
マウスピース矯正の治療期間は、症例によって大きく異なります。
- 軽度の症例:3ヶ月〜半年
- 中等度の症例:1年〜1年半
- 複雑な症例:2年〜3年
マウスピース矯正は1枚のマウスピースで約0.25mmしか歯を動かせないため、動かす距離が大きいほど必要なマウスピースの枚数が増え、治療期間も長くなります。
また、マウスピース矯正は患者さん自身の協力が非常に重要です。1日20時間以上の装着が必要で、これを守らないと治療期間が延びてしまいます。
ワイヤー矯正の期間
ワイヤー矯正(ブラケット矯正)は、歯に装置を固定し、ワイヤーの力で歯を動かす方法です。表側矯正と裏側矯正があります。
ワイヤー矯正の一般的な治療期間は以下の通りです。
- 軽度〜中等度の症例:1年〜2年
- 複雑な症例:2年〜3年
ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べて強い力で歯を動かせるため、複雑な症例や大きな移動が必要な場合に適しています。また、装置が固定式なので、患者さんの装着時間の管理が不要という利点があります。
一方で、装置が目立つことや、装置が当たって口内炎ができやすいなどのデメリットもあります。
治療期間を短縮するポイント
矯正治療の期間をできるだけ短くするためには、いくつかのポイントがあります。
適切な矯正方法の選択
症例に合った最適な矯正方法を選ぶことが、効率的な治療につながります。例えば、複雑な動きが必要な場合はワイヤー矯正の方が効果的なことがあります。
Web検索結果によると、近年では「治療期間の短縮を図る矯正」として、外科処置と矯正用アンカースクリューを併用する方法もあります。歯を支える骨に切り込みを入れることで骨の可動域を広げ、歯の移動を促進する方法です。
患者さん自身の協力
特にマウスピース矯正では、指示通りの装着時間を守ることが非常に重要です。また、どのような矯正方法でも、定期的な通院と歯科医師の指示に従うことが、治療期間の短縮につながります。
口腔内の健康維持
矯正治療中は、歯磨きがしにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。これらの問題が生じると、治療が中断したり、延長したりする可能性があります。丁寧な歯磨きと定期的なクリーニングで口腔内の健康を維持しましょう。

矯正後の保定期間について
矯正治療が終了した後も、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために「保定期間」が必要です。
保定期間の目安は、矯正治療と同程度の期間(約2年)が一般的です。この間、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着します。
最初の1年は終日使用し、2年目以降は徐々に装着時間を減らしていくことが多いです。最終的には就寝時のみの装着になりますが、後戻りを完全に防ぐためには、長期間(場合によっては一生涯)就寝時の装着を続けることが推奨されます。
保定装置の装着を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう可能性があるため、歯科医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
まとめ:症例に合った治療選択が重要
歯並びの見た目改善にかかる期間は、症例や選択する矯正方法によって大きく異なります。
軽度のガタつきなら数か月で改善できることもありますが、複雑な症例では数年を要することもあります。また、矯正後の保定期間も含めると、総合的な治療期間はさらに長くなります。
大切なのは、自分の症例に合った最適な治療方法を選ぶことです。見た目だけでなく、噛み合わせの機能も考慮した総合的な治療計画が必要です。
山梨県甲府市徳行にある「歯科・矯正歯科 GOOD SMILE」では、矯正治療を得意分野としており、マウスピース矯正(インビザライン)にも対応しています。各専門ドクターがチーム体制で治療を提供し、患者さん一人ひとりに合った矯正治療を提案しています。
歯並びでお悩みの方は、まずは歯科医院での相談をおすすめします。専門家による適切な診断と治療計画で、あなたにぴったりの矯正方法と治療期間を見つけましょう。
詳細は矯正メニュー 歯科矯正歯科goodsmileをご覧ください。

監修者情報
歯科・矯正歯科 GOOD SMILE院長 薄井陽平
保有資格など 歯学博士
松本歯科大学 小児歯科学講座 非常勤講師
略歴 2001年3月 松本歯科大学歯学部卒業
2001年4月 歯科医師免許取得
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座入局
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座医員
2003年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助手
2004年4月 松本歯科大学 硬組織疾患制御再建学講座
臨床病態評価学博士課程入学
2007年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教
2009年6月 学位取得(歯学博士)
2012年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教 教任期満了
2015年10月 松本歯科大学 小児科学講座 非常勤講師就任
ごあいさつ
はじめまして、GOOD SMILEの薄井です。歯・矯正に関することはもちろん、口腔内のお悩みなら何でもご相談ください。患者様のお悩みが解消できるよう、もっとも合う治療方法について一緒に考えさせていただきます。