2025.12.25
コラム

40代・50代からの大人の矯正|健康寿命を伸ばす理由と成功の6つのポイント

40代・50代からの大人の矯正|健康寿命を伸ばす理由と成功の6つのポイント

40代・50代から始める矯正治療は遅くない

「矯正治療は子どもがするもの」そんなイメージをお持ちではありませんか?

実は、歯と歯茎の状態が健康であれば、40代や50代からでも矯正治療を始めることは十分に可能です。むしろ、人生100年時代と言われる現代において、これからの長い人生を見据えた矯正治療は、健康寿命を延ばすための重要な選択肢となっています。

厚生労働省の発表によると、日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳と過去最高を更新しています。その一方で、自立して生活できる年齢を指す「健康寿命」は女性74.79歳、男性72.14歳と、平均寿命との間に大きな開きがあることが課題となっています。

この健康寿命を延ばすために大切なのが、食べ物をしっかりと噛むことのできる「よい歯並び」と「よい咬み合わせ」なのです。

なぜ40代・50代の矯正が健康寿命に貢献するのか

咬み合わせと健康寿命には、深い関係があります。

よく噛むことは、単に食べ物を体に取り入れるだけではなく、全身を活性化させ、すこやかさを保つための重要な働きを担っています。具体的には、肥満を防ぐ、味覚の発達を促す、発音をはっきりさせる、脳の働きを活発にする、歯の病気を防ぎ口臭を少なくする、がんを防ぐ、胃腸の働きを促進する、全身の体力向上とストレス解消といった8つの効用があると言われています。

しかし、ここで重要なのは「歯並びがよい=よく噛める」ではないということです。

一見すると歯並びがきれいに整って見えても、奥歯を咬み合わせてみると上下の前歯に隙間があるような「開咬」という不正咬合の場合、前歯で食べものを噛み切ることができず、滑舌にも影響が出てしまいます。大切なのは、ものをしっかり噛むことができる「安定した咬み合わせ」であることなのです。

さらに、しっかり噛めないと記憶や空間認知能力の司令塔である海馬の神経活動が不活発になる可能性も指摘されています。安定した咬み合わせでよく噛める状態を保つことは、認知症のリスクを下げる一因になると考えられているのです。

歯の本数と健康寿命の関係

興味深い研究結果があります。

全国24自治体の65歳以上の高齢者を3年間追跡した調査によると、85歳以上で残存歯数が20本以上ある方は、0本の方に比べて、寿命については男性で57日、女性では15日、日常生活に制限のない健康寿命については男性で92日、女性では70日間長くなったという結果が出ています。さらに、要介護の期間については男性で35日、女性では55日間短かくなったということです。

また、京都大学の研究では、歯科医療費が高い地域では男性の場合、健康寿命が0.7才長いという結果も報告されています。これは、歯科に通って予防的なケアを受け、噛める状態を維持することが健康に繋がるということを示しています。

40代・50代から矯正を始めるメリット

中高年から矯正治療を始めることには、多くのメリットがあります。

口元に自信が持てるようになる

「昔から歯並びが気になっていて、人前で歯を見せて話すのに抵抗がありました」というお声をよくいただきます。矯正治療には2〜3年ほどの期間がかかりますが、治療を受けられた方からは「少しずつ歯がきれいになっていくのを見るのが毎日の楽しみでした」という前向きなお言葉もいただいています。

矯正治療は見た目の改善だけでなく、気持ちを明るく前向きにしてくれる治療でもあるのです。

歯の寿命が伸びやすくなる

噛み合わせが悪いと、一部の歯に負担が集中してしまい、その結果、歯の寿命が短くなってしまうことがあります。

矯正治療は、見た目の改善だけでなく、噛み合わせを整えることで機能面でも大きなメリットがあります。歯並びと噛み合わせをバランスよく整えることで、歯にかかる力が分散され、過剰な負担を防ぐことができます。その結果、歯が長持ちしやすくなるのです。

自分の歯でしっかり噛めることは「歯の健康寿命」を延ばすことにつながります。これからの長い人生において、美味しく食事を楽しみ、健康的な生活を送るためにも、矯正治療は大切な選択肢のひとつです。

むし歯・歯周病のリスクを軽減しやすい

歯並びに凸凹があったり、歯が重なっていたりすると、どうしても段差や隙間に汚れが溜まりやすくなります。その結果、むし歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。

矯正治療で歯並びを整えることで、今まで歯ブラシが届きにくかった部分も磨きやすくなり、毎日の歯みがき効果が高まります。これにより、むし歯や歯周病の予防につながり、歯の健康を長く保つことができます。

長年のコンプレックスが解消される

若い頃は、育児や仕事で忙しかったり、お金に余裕がないといったことで、矯正治療を後回しにしてしまった方も多いのではないでしょうか。

中高年になると、ご自身に余裕がでてきたり、育児がひと段落する方も多く、矯正治療に集中することができます。結果的に、理想の期間で歯並びがきれいになり、長年のコンプレックスを解消することができるのです。

40代・50代の矯正で気をつけたいこと

一方で、大人になってからの矯正には注意すべき点もあります。

むし歯の確認が必要

定期的に歯科検診をしていない方はもちろん、昔にむし歯治療した方も要注意です。

現在痛みを感じていない方でも、銀歯の中にむし歯ができてしまっていたり、いつの間にかむし歯が進行していることがあります。まずは、歯科医院でむし歯があるか確認を行い、治療をしてから矯正治療に進めることが大切です。

歯茎の状態の確認

むし歯の痛みを感じていなくても、歯茎が下がってしまっていたり、歯周病が進んでしまっていたり、咬み合わせの問題から歯を支えている骨がなくなっている場合があります。

症状が悪化している場合、矯正治療で「歯を動かす」ができなくなってしまうため、一度口腔内の治療を行ってから、矯正歯科治療へと進めなければなりません。大人の矯正治療では、歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ減っていることがあるため、歯を動かす際に注意が必要です。

歯が動きにくい場合もある

年齢を重ねると、骨の代謝がゆるやかになるため、歯の動きは若い方と比べて少しゆっくりになる傾向があります。

そのため、矯正治療の期間がやや長くなる場合がありますが、計画的に進めていくことで確実に効果を実感していただけます。治療には少し根気が必要ですが、日々の変化を楽しみながら取り組んでいただける方が多くいらっしゃいます。

矯正治療を成功させる6つのポイント

40代・50代から矯正治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

1. 信頼できる歯科医師を選ぶ

経験豊富な医師は、年齢特有の問題にも対応できるため、安心して治療を任せられます。

「真のチーム歯科医療」を提供する歯科医院では、各専門ドクターがそれぞれの専門分野を担当するチーム体制で治療を行っています。矯正治療だけでなく、必要に応じて歯周病治療やインプラント治療など、総合的な口腔ケアを受けることができます。

2. 治療計画をしっかりと立てる

治療期間は症例により異なりますが、成人矯正の場合、一般的に1年半〜3年を要します。

治療計画をしっかりと立て、目標を明確にすることが大切です。また、仕事や家庭との両立も考えながら、無理のない治療スケジュールを組むことが重要です。

3. 日常生活での口腔ケアを怠らない

治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。

矯正用の歯ブラシや歯間ブラシを取り入れると、装置の周囲までしっかり清掃できます。また、マウスウォッシュを使って細菌の増殖を抑えるのも効果的です。

4. 装置の装着時間を守る(マウスピース矯正の場合)

マウスピース矯正では、装置を1日20〜22時間装着する必要があります。

装着時間を守らないと効果が得られず、治療期間が延びる可能性があります。装置の取り外しができる点はマウスピース矯正のメリットですが、食事や歯磨きのとき以外はマウスピースを装着するようにしましょう。

5. 定期的な通院を守る

矯正治療は一度始めると長期にわたるため、定期的な健診と調整が欠かせません。

通院を怠ると歯の動きが計画通りに進まず、期間が延びたりトラブルにつながります。忙しい大人だからこそ、スケジュール管理をしっかりすることが重要です。指定された通院間隔を守り、装置に違和感や不具合を感じたら早めに相談することが大切です。

6. 口腔習癖を改善する

舌で歯を押す癖や爪を噛む癖、頬杖をつく癖などの口腔習癖があると、歯に力が加わります。

これによって、歯の動きが妨げられると、治療期間が延びる可能性があります。また、矯正治療後もこれらの癖が改善されていない場合、治療で整えた歯並びが再び乱れる可能性があります。矯正治療をスムーズに進めるため、また矯正治療後に再び歯並びが乱れるのを防ぐためにも、これらの口腔習癖を改善することが大切です。

40代・50代におすすめの矯正治療方法

中高年の方に適した矯正治療方法としては、目立ちにくい透明なマウスピース型の矯正があります。

マウスピース型矯正装置は、薄く透明なプラスチック製のマウスピースを用いた矯正治療システムです。装着していても気づかれにくいので、人前に出るお仕事でも不安なく治療を受けられます。また、着脱可能で食事やブラッシングも普段通りに行えます。

接客業やサービス業のため目立つ装置は避けたい方、歯磨きのときには取り外して歯をきれいに磨きたい方、スポーツや管楽器の演奏をしているためワイヤー矯正は避けたい方、通院の負担を抑えたい方に特におすすめです。

ただし、正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。また、症状によっては、マウスピース型矯正装置で治療できないことがあります。

まとめ:今からでも遅くない、健康寿命を延ばす矯正治療

40代・50代での矯正治療は「遅い」ということは全くありません。

年齢に応じた適切な治療方法と専門的なケアを受けることで、美しい歯並びと健康な口腔環境を手に入れることができます。見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善による健康面でのメリットも大きいため、40代・50代の方も安心して矯正治療にチャレンジしてみてください。

厚生労働省が発表した「2016年度 歯科疾患実態調査」によると「8020運動」の成果もあって、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が51.2%も占めたそうです。より多くの歯の健康を維持することが、QOLの維持、適切な睡眠時間の維持さらには健康長寿に繋がるということを意味しています。

もし矯正治療に興味がある方は、まずは歯科医院で専門医と相談し、自分に合った治療プランを見つけましょう。

当院では、矯正治療を最も得意とし、マウスピース矯正(成人用・子ども用)に対応しています。各専門ドクターがそれぞれの専門分野を担当するチーム体制で治療を行い、歯科用拡大鏡(マイクロスコープ)や歯科用CTなどの充実した医療設備を導入しています。皆様の笑顔のために、長い目で見たお口の健康サポートをいたします。

お口まわりのお悩みは何でもお気軽にご相談ください。詳細はこちらからご確認いただけます。歯科・矯正歯科 GOOD SMILE

 

監修者情報

歯科・矯正歯科 GOOD SMILE院長 薄井陽平

保有資格など 歯学博士
松本歯科大学 小児歯科学講座 非常勤講師
略歴 2001年3月 松本歯科大学歯学部卒業
2001年4月 歯科医師免許取得
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座入局
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座医員
2003年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助手
2004年4月 松本歯科大学 硬組織疾患制御再建学講座
臨床病態評価学博士課程入学
2007年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教
2009年6月 学位取得(歯学博士)
2012年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教 教任期満了
2015年10月 松本歯科大学 小児科学講座 非常勤講師就任

ごあいさつ

はじめまして、GOOD SMILEの薄井です。歯・矯正に関することはもちろん、口腔内のお悩みなら何でもご相談ください。患者様のお悩みが解消できるよう、もっとも合う治療方法について一緒に考えさせていただきます。

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