iTero Elementとは?歯科矯正の革新的スキャナー完全解説
iTero Elementとは?歯科矯正における革新的スキャナーの基本
iTero Elementは、歯科医療の現場で使用される最新の口腔内スキャナーです。従来の印象材を使った型取りとは異なり、デジタル技術を活用して患者さんのお口の中を3Dデータとして記録します。特に矯正歯科治療において、精密な歯型データの取得は治療の成功に直結する重要な要素となっています。
このスキャナーは、小型のハンドピースを口腔内に挿入し、短時間で上下の歯列を撮影するだけで精密な3Dデータを取得できる優れものです。従来の印象材による型取りでは10分程度かかっていた作業が、わずか1分程度で完了します。
iTero Elementシリーズの最新モデルである「iTero Element 5D」は、単なる3Dスキャナーの域を超え、虫歯の検出機能も備えています。これにより、矯正治療を始める前に口腔内の問題を早期に発見し、適切な処置を行うことができるのです。
私たちGOOD SMILEでも、このiTero Elementを導入し、患者さんにより快適で精度の高い矯正治療を提供しています。スキャンデータを基に、一人ひとりに最適な治療計画を立てることが可能になりました。
従来の印象採得とiTero Elementの比較
従来の歯型採得では、シリコン印象材という粘土のような材料を口の中に入れ、固まるまで待つ必要がありました。この方法では、上下の歯型を取るのに合計で約10分かかります。また、印象材の感触や味に不快感を覚える患者さんも少なくありません。
特に「嘔吐反射」が強い方にとって、口の中に印象材を入れる時間は苦痛を伴うものでした。さらに、印象材が固まる間、口を大きく開けたままの状態を維持しなければならず、顎に負担がかかることもあります。
一方、iTero Elementによるデジタルスキャンは、小さなスキャナーを口内に入れて撮影するだけです。わずか1分程度で上下の歯列データを取得でき、患者さんの負担を大幅に軽減します。また、印象材特有の不快な味や感触もなく、誤嚥のリスクもありません。
精度の面でも、iTero Elementは従来の方法より優れています。2011年の研究によると、シリコン印象に比べて口腔内スキャンによる光学印象では、マウスピース型矯正装置のフィット感の不具合が7分の1まで減少したという結果が出ています。これは矯正治療の成功率と快適性に直結する重要な進歩です。
さらに、データの保存性も大きなメリットです。従来の石膏模型は保管場所を取り、経年劣化する問題がありましたが、デジタルデータなら半永久的に劣化せず保存できます。万が一、患者さんの装置が破損した場合でも、保存データから迅速に新しい装置を作製できるのです。

iTero Elementの主な特徴と機能
iTero Elementの最大の特徴は、その高精度なスキャン能力です。口腔内を立体的に捉え、ミクロンレベルの精度でデータ化します。これにより、マウスピース矯正装置の適合性が大幅に向上し、治療効果を最大化できます。
また、スキャンしたデータはその場で3Dモデル化され、患者さんと一緒に画面で確認できるのも大きな利点です。治療前後のシミュレーションも可能なため、患者さんは治療結果のイメージを具体的に把握できます。これにより治療への理解と協力が得られやすくなります。
iTero Element 5Dモデルには、NIRI技術(近赤外線イメージング)が搭載されており、エナメル質の内部構造を可視化できます。これにより、レントゲンでは発見しにくい初期段階の虫歯も検出可能になりました。矯正治療は長期間にわたるため、治療開始前に口腔内の健康状態を詳細に把握できることは非常に重要です。
さらに、このスキャナーは「デンタルモニタリング」というシステムと連携できます。患者さんはスマートフォンのアプリを通じて定期的に口内写真を撮影し、AIとドクターが遠隔でチェックします。これにより通院頻度を減らしながらも、治療の進行状況を正確に把握できるのです。
iTero Elementは、特にインビザラインなどのマウスピース矯正との親和性が高く、スキャンデータを直接メーカーに送信して装置を製作できます。これにより製作期間が短縮され、より早く治療を開始できるメリットがあります。
iTero Elementが矯正治療にもたらす革新的メリット
iTero Elementの導入により、矯正治療のプロセスは大きく変わりました。まず、治療計画の精度が飛躍的に向上しています。高精細な3Dデータを基に、より正確な診断と治療計画の立案が可能になりました。
患者さんにとって最も実感しやすいメリットは、治療の快適性の向上です。従来の不快な印象採得がなくなり、短時間で終わるスキャンに置き換わったことで、治療開始時の負担が大幅に軽減されました。特にお子さんや嘔吐反射の強い方にとって、これは大きな進歩です。
また、治療結果の予測性も向上しています。iTero Elementでは、治療後の歯並びをシミュレーションで確認できるため、患者さんと歯科医師が同じビジョンを共有しながら治療を進められます。「こんな歯並びになりたい」という患者さんの希望を視覚的に確認しながら、実現可能な治療計画を立てられるのです。
治療期間の短縮も見逃せないメリットです。デジタルデータを直接矯正装置メーカーに送信できるため、従来の方法と比べて装置の製作期間が短縮されます。また、治療中の調整も効率的に行えるようになりました。
さらに、治療の透明性が高まったことも重要です。患者さんは自分の口腔内の状態を3Dで確認でき、治療の必要性や進行状況を視覚的に理解できます。これにより、治療への積極的な参加意識が高まり、マウスピース装着などの自己管理も向上する傾向があります。
私たちGOOD SMILEでは、このiTero Elementの利点を最大限に活かし、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの矯正治療を提供しています。特にマウスピース矯正では、精密なデータ採取が治療成功の鍵となるため、このスキャナーの導入は大きな価値をもたらしています。

iTero Elementとマウスピース矯正の相性
iTero Elementは、特にインビザラインをはじめとするマウスピース矯正との相性が抜群です。マウスピース矯正では、歯の動きを細かく計画し、段階的に異なるマウスピースを使用していきます。そのため、初めの歯型採得の精度が治療全体の成功を左右するといっても過言ではありません。
iTero Elementで採取した高精度な3Dデータは、インビザラインの製作システムと直接連携しています。これにより、従来の方法で生じていた印象材の変形や石膏模型作製時のエラーを排除し、患者さんの口腔内状態をより正確に反映したマウスピースを製作できるようになりました。
実際の臨床データでも、iTero Elementを使用して製作されたマウスピースは適合性が向上し、予測通りの歯の動きが得られやすいことが示されています。これは治療期間の短縮と治療結果の向上につながる重要な要素です。
また、治療途中でのスキャンも簡単に行えるため、必要に応じて治療計画を微調整することが容易になりました。従来の方法では再度印象採得を行う必要がありましたが、iTero Elementなら短時間で新たなデータを取得し、治療計画を最適化できます。
さらに、インビザラインの最新技術である「スマイルアーキテクト」とiTero Elementを組み合わせることで、矯正治療と補綴治療(被せ物や詰め物)を一つの治療計画で統合することも可能になっています。これにより、より包括的な口腔内の改善が実現できるのです。

iTero Elementの導入状況と将来性
iTero Elementは、2025年現在、世界中の先進的な歯科医院で急速に普及しています。日本国内でも多くの矯正歯科専門医院や総合歯科医院が導入を進めており、デジタル歯科の主要設備として定着しつつあります。
特に注目すべきは、iTero Elementが単なるスキャナーから総合的な口腔診断ツールへと進化している点です。最新のiTero Element 5Dは、3Dスキャン機能に加えて虫歯検出機能も備えており、矯正治療と一般歯科治療の橋渡しとなる存在になっています。
将来的には、AIによる診断支援機能がさらに強化され、より精密な治療計画の立案が可能になると予想されています。また、他の歯科用デジタル機器(CAD/CAMシステムや3Dプリンターなど)との連携も進み、歯科医院内でのデジタルワークフローが一層効率化されるでしょう。
患者さんにとっても、治療の可視化や遠隔モニタリングなどの機能が充実することで、より参加型の治療体験が実現します。スマートフォンアプリとの連携も進み、日常的な口腔ケアと専門的な治療が密接につながる時代が来ると考えられます。
私たちGOOD SMILEでは、このようなデジタル技術の進化を積極的に取り入れ、常に最先端の治療を提供できるよう努めています。iTero Elementをはじめとする最新設備の導入は、患者さんに最高品質の治療を提供するための重要な投資だと考えています。
まとめ:iTero Elementが変える矯正治療の未来
iTero Elementは、単なる口腔内スキャナーを超えた革新的なデジタル歯科機器です。従来の印象材による型取りと比較して、精度の向上、患者さんの快適性の向上、治療期間の短縮など、多くのメリットをもたらしています。
特にマウスピース矯正との組み合わせでは、その真価を発揮し、より予測可能で効果的な治療を実現します。高精度な3Dデータに基づいて製作されたマウスピースは適合性が高く、計画通りの歯の動きを促進します。
また、治療のビジュアル化により、患者さんと歯科医師のコミュニケーションも向上し、治療への理解と協力が得られやすくなっています。治療前後のシミュレーションを通じて、患者さんは自分の口元がどう変わるのかを具体的にイメージできるようになりました。
デジタル技術の進化は今後も続き、iTero Elementの機能はさらに拡張されていくでしょう。AI診断支援や遠隔モニタリングなどの技術と組み合わさることで、より効率的で効果的な矯正治療が実現します。
歯科矯正治療を検討されている方は、iTero Elementを導入している医院を選ぶことで、より快適で効果的な治療を受けられる可能性が高まります。私たちGOOD SMILEでは、このような最新技術を活用し、患者さん一人ひとりに最適な矯正治療を提供しています。
美しい歯並びは、健康的な口腔環境の基盤となり、自信に満ちた笑顔をもたらします。iTero Elementのような革新的技術の登場により、そんな理想の笑顔への道のりがより快適になっているのです。
矯正治療についてのご相談やiTero Elementによるスキャン体験をご希望の方は、ぜひ当院までお問い合わせください。あなたに最適な治療プランをご提案いたします。

監修者情報
歯科・矯正歯科 GOOD SMILE院長 薄井陽平
保有資格など 歯学博士
松本歯科大学 小児歯科学講座 非常勤講師
略歴 2001年3月 松本歯科大学歯学部卒業
2001年4月 歯科医師免許取得
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座入局
2001年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座医員
2003年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助手
2004年4月 松本歯科大学 硬組織疾患制御再建学講座
臨床病態評価学博士課程入学
2007年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教
2009年6月 学位取得(歯学博士)
2012年4月 松本歯科大学 歯科矯正学講座助教 教任期満了
2015年10月 松本歯科大学 小児科学講座 非常勤講師就任
ごあいさつ
はじめまして、GOOD SMILEの薄井です。歯・矯正に関することはもちろん、口腔内のお悩みなら何でもご相談ください。患者様のお悩みが解消できるよう、もっとも合う治療方法について一緒に考えさせていただきます。